2019年10月21日

9月県議会終了。太田議員が反対討論


今日で9月議会が終了しました。請願者が趣旨説明をしたいと申し出たのに委員会で否決され、議会規則にありながら認められなかった問題をどうすれば実現できるのかを問題提起していましたがで、本日の各派では全会派がいる議会運営委員会で、委員会ではなく議会運営委員会に申し出て認めるかどうかを決めることになりました。紹介議員だけでは不十分な場合、5分間という制限付きでしたが、平成の30年間凍結されてきた県民の声を届けるルールが少し前に動いたようです。
今日は太田敦議員が反対討論。
日本共産党を代表して「議第76号 平成30年度奈良県歳入歳出決算の認定」に対する反対討論を行います。

税金は県民のために使われてこそ意味があります。
県立奈良高校の耐震化における奈良の木を使った木質の仮設体育館についてですが、昨年育友会長からも「屋内運動場の耐震補強」を求め、「仮設建設物が規模機能において本校屋内運動場の代替え施設となりうるか、運動場の一部をつぶして建設に値するのか疑義があがっている」「容認しがたいとの声が上がっている」と見直しを要望されていました。
今年の7月には生徒からも切実な願いが挙げられました。教育委員会ではこのような声が反映されないまま県立高校再編計画どおり、3年後に平城高校に移転する奈良高校に仮設なら認めるが耐震不足の体育館は閉鎖するとの決定通り実行されようとしていますが、「仮設のほうが工期が短い」と強調するあまり、工事請負業者が下請けが集まらないことを理由に辞退し大幅に遅れる見込みです。
さらに費用面では耐震補強が1,8億円、仮設が2億円となっていますが、10年間で比較すると仮設のほうがコストが安いという説明は3年後の使用方法も決まっておらず納得できるものではありません。木質体育館の建設ではなく生徒や保護者が求めている既存体育館の耐震化を行うべきです。

一方、見直しを求める声が多かった奈良公園バスターミナルは45億円かけたにも関わらず、利用客があまりにも少なくて、見通しが甘かったとの意見が出ています。
県の5月6月の利用見込み数は、約2万台に対し実際は約7千台と報道されています。予約が必要で乗客の乗り降りのみでバスは客を降ろしたあと、別の離れた県営駐車場に移動しなければならず、供用開始前から「バスターミナルから東大寺まで歩いて往復三十分かかることになり、観光コースの変更をしなくてはならなくなる」とバス事業者からも意見が出されていました。

(仮称)奈良県国際芸術家村整備事業は、建設費用だけでも九十九億五千万円と見積もられていますが、運営費がどれだけかかるのか、不明です。
この事業は、文化財の修復とその技術の伝承・展示と言われておりますが、道の駅、農産物直売所やサイクルセンター、イベント広場、民設民営ホテルも誘致するなど大掛かりな複合施設の計画です。目的としている観光振興、地域振興に役立つのか、事業の見通しは不透明です。
 文化財の修復技術の伝承・人材育成、貴重な資料の保管・展示などしっかり行える施設は多くの関係者が求めており、そこに焦点を絞るべきです。

「なら食と農魅力創造国際大学校」は4年間で約5656万円の赤字が生じ、1億5400万円の委託料が払われております。また、オーベルジュ棟を実習場とするフードクリエイティブ学科は定員割れが続いている状況です。指定管理の効果が認められません。また、NAFICを核とした賑わいづくり事業として、新たにセミナーハウス整備を進めようとしておりますが、NAFICの地域振興としての実績や地元に対する経済効果など、何の検証もされず、開発を進めることには反対です。

 五條市内に計画している奈良県広域防災拠点(整備準備事業)について、これまで知事は「大規模災害時、ヘリポートさえあれば、県民のピックアップなど迅速に行い、救援が可能となり、県民に大きな安心感をもたらすことができる」と説明してきました。しかし、平成30年度の整備準備事業から一転して今年に入って二千メートルの滑走路を備えたものを整備をする提案が行われました。知事は、東日本大震災時の救援活動に山形空港が役立ったということですが、山形空港は空港としての機能があるところであり、滑走路を建設してどのように運用するのか、また、用地や建設費用など、どれだけかかるのか不明です。南海トラフ巨大地震の危険が迫っています。二千メートル滑走路を併設する計画を白紙にして、広域防災拠点と消防学校の建て替えなど早急な整備を求めます。

以上の理由により「議第76号 平成30年度奈良県歳入歳出決算の認定」に対しては反対です。以上で討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。






posted by みっちゃん at 20:47| Comment(0) | 日記
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